この記事では、あなたのコンテンツが「わかりやすい!」「また読みたい!」と好評を得られる、文章の書き方をお伝えします。

この書き方を習得することで、あなたは「有益さ」と「面白さ」のダブルの価値を提供してお客さんに喜ばれ、何倍もの売上を伸ばすことができるようになります

逆にこの書き方を知らないと、せっかく役に立つ情報をコンテンツに盛りこんだのに「つまらない」と言われ、かけた時間と労力が水の泡になってしまいます。

この記事では、

【1】読みやすさ
【2】親しみやすさ
【3】面白さ

この3つの側面から、コンテンツの書き方を解説しました。

ここを押さえることで、コンテンツの価値を最大限に表現することができるようになります。

【1】「読みやすさ」の章

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読みやすさを決める重要ポイントは、次の3つです。

①語順を適切に並べる
②文の構造をシンプルにする
③リズムとテンポをつける

まずは、ごく単純な文で見てみましょう。

りんごを掴んで食べてみると、おいしかった。

普通に読みやすいですよね。

これを、単語だけ置くように並べてみると、

「りんご 掴む 食べる おいしい」

文になっていなくても、伝えたいことのイメージが湧いてこないでしょうか。

(余談ですが、海外での意思疎通にも、これは使えるかもしれません)

これは、

りんごを見た→それを掴んだ→食べた→おいしかった

というふうに、一連の動作と結果が、順々に頭の中に浮かぶからです。

これが

「掴む おいしい 食べる りんご」

だとしたらどうですか?

一瞬、単語のつながりがわからないですよね。

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人が文章を読むとき、言葉が入った順に情報が処理されて、イメージが組み立てられていきます。

「てにをは」や接続助詞を抜いても、単語の並び順が自然で適切なら読みやすいし、わかりやすいのです

逆に、語順がおかしいと、それだけで、読み手の脳に負荷がかかって読みづらい文になります。

今度は、もうすこし複雑な例文を出します。

[例文1]
朝の通勤時、前夜に台風が直撃したときに倒れた、隣家の庭木が、歩道に横たわっているのを見た。

[例文2]
朝の通勤時、隣家の、前夜に台風が直撃したときに倒れた庭木が、歩道に横たわっているのを見た。

違いは、「隣家の」の位置だけです。

例文1は「隣家の庭木」で、普通にわかります。

でも例文2は、「隣家の」と「庭木」の間に長い語が入って、距離が遠いですよね。

すると読み手の頭の中では、

・「隣家」という単語をいったん頭の中にキープして、
・「庭木」という単語が出たときに前に戻って、
・2つの単語を結びつける

という、複雑な処理をしなければいけなくなるわけです。

もっと言うと、

[例文3]
朝の通勤時、隣家の庭木が歩道に横たわっているのを見た。
前夜、台風が直撃したときに倒れたものだ。

こうして2文に分けたほうが、より文の構造がシンプルになって読みやすくないですか?

そもそもこの例文は、1文で扱うには情報量が多すぎるんです。

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語順を適切に
文の構造をシンプルに

これが、読みやすい文章のいちばんの基本になります。

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語順と同じくらい再重要なのが、リズムとテンポです。

「長いのにスラスラ読めた」
「読んでて心地よかった」

と感じさせるのは、リズムとテンポが決め手になります。

自分で書いた文章を、音読(または、頭の中で音読読み)してみて、

「ここは流れがきれいだな」
「ここはなんかガタつくな」

というふうに、ちょっとした“感じ”に気づいていくことです。

あとは、人の文章を、リズムとテンポに注目して読む。

そうすると、リズムとテンポがいい/悪いという感覚が、自分の中にだんだんできていきます。

目で読むよりも聞く感覚で、体感してください。

目に見える形で改善できるポイントとしては、同じ言葉の連発を避けることです。

つい連発してしまいやすい言葉

・文末「です」「ます」など
・接続詞「しかし」「そして」など
・副詞「とても」「かなり」など
・~ですが
・~という

ここをチェックして直すだけでも、だいぶ良くなります。

 

【2】親しみやすさの章

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コンテンツビジネスは、読み手との交流です

一般的な本の著者と読者よりも、書き手と読み手の距離感が近い。

だから、内容以前に、語り口の印象が、かなり大きく影響します。

「親しみやすさ」を文章で表現するポイントは、おもに次の2つです。

話し言葉を適度に交える
柔らかい言葉を多めに使う

話し言葉の例

「私はこう思うんです」
「遊びたいときもありますよね」
「カッコいいじゃないですか」
「試してみるのもアリですよ」

書き言葉だけだと何が問題かというと、「自分に語りかけられている感」が、まったくないんですね。

たとえて言えば、教授がひたすらしゃべりっぱなしの講義を、黙って聞かされているような感じ。

逆に、話し言葉が強すぎると、なれなれしいと感じさせてしまいます。

どのくらいがちょうどいいかは、読み手とやりとりしながら、適切な距離感を探ってください。

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次に、硬い言葉と柔らかい言葉について。
いくつかの例を見てみましょう。

《漢語-和語-カタカナ語の例》
規則-決まり-ルール
会合-集まり-ミーティング
選定-選り抜き-セレクト

《漢字熟語を動詞に変える》
模倣→真似る
構築→組み立てる
激化→激しくなる
該当→当てまはる

《ひらがなだけど硬い(文語的な)言葉》
ほかならない/のみならず/ならびに/なおのこと/きわまりない/どちら/だが/やはり/きわめて/おそらく…etc

ここに挙げた一覧と自分の文章を照らし合わせると、自分の傾向や偏りが見えてくるでしょう。

漢字熟語が多いとか、硬い言い回しが多いとか。

こういう、「硬い言葉」と「柔らかい言葉」の配分、一つひとつの言葉選びが、書き手のキャラ、文章のテイスト、世界観を作っていくのです

文章には、フォーマルな文体とカジュアルな文体の2種類があります。

フォーマル:書き言葉(文語)
カジュアル:話し言葉(口語)

正しい文章の書き方」として教えられるのが、フォーマルな文体です。

「正式な」文章術の決まりごととしては、以下の書き方はNGとされています。

・話し言葉
・混ぜ語(「です・ます/だ・である」の混合)
・体言止め
・「い」抜き言葉(「来てます」「やってます」など)

ビジネス文書や受注ライターの納品で、これを使うとアウトです。

ですが、私たちのコンテンツ作りでは、適度に取り入れることをオススメします。

これを使ったほうが、文末に変化をつけられて、リズムのいい文章が書けるからです。

たとえば、文頭の接続詞に「なので」を持ってくるのは、文法的には間違いとされています。

(「私は朝型人間なので~」のように、あとに付けるのはOK)

でも話し言葉で書いているときは、「なので」のほうが文章になじみます。

だから、使うときは使ってもいいと思いますね。

「正しいルール」を守りすぎると、堅苦しくなって「親しみやすさ」が損なわれてしまいます。

「読み手との交流」を優先するなら、正しさの半分は捨てたほうがいいのです

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あなたは、生まれてから今日までの間に、カジュアルな文章を要求されたことがあったでしょうか。

読書感想文、筆記試験、卒業論文、企画書、報告書、議事録…

…ないですよね?

私は、かなりかっちりとした書き言葉を身につけてきたので、くだけさせる方向で難儀しました。

あなたが、とくに何も意識せず「普通に」文章を書いたとき、過去の集大成が文面に出ます。

そこにはかならず、クセや偏りが染みついているんです。

だから、

「この文章は、今この場にもっともふさわしい表現か」

と問い直して、まっさらな目で見直すことをしてほしいのです。

「言葉グセ」は、自分で読み直すだけでは、なかなか気づけません。
なぜなら、自分の中ではそれが普通だからです。

だから、誰かに指摘してもらうか、ほかの人の文章と見比べてみるのがいいでしょう。

単にクセで書いてしまっているだけなのか
自分のスタイルとして選択したうえで書いているのか

ここを、つねに認識しておいてほしいです。

最初は面倒くさいし、時間もかかりますよ。
でも、いったん身につけば、自然に思うまま書けるようになります。

あなたがコンテンツビジネスを通じて関わりをもつ相手は、家族とも友だちとも会社の上司や同僚とも違う、まったく新しい関係性の人たちです

自分が出したいキャライメージによって、口調が決まることもあるでしょう。

新しいジャンルに入ったら、そこでは、前とは違った語り口のほうが合っているかもしれない。

もっと言えば、同じお客さん相手でも、教材・セールスレター・メルマガによって、テイストを変えることもありうるのです。

自分が「読みやすいな」「心地いいな」と感じる人の文章を見本にするのも、良い方法だと思います。

こういうことは、文章術の本では教えてくれません。

流動的にとらえて、読み手と関係性を築くためにふさわしい文章スタイルを、作っていってください。

【3】「面白さ」の章

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コンテンツにおいて「面白さ」はものすごく重要なのですが、これほど難しいものもありません。

あなたは、ユーモアを交えて面白い文章を書ける才覚がありますか?

私は無理です。

それで、持ち前のキャラやセンスに頼らなくても、文章を面白く書くための方法を、いろいろ模索してきました。
今も模索中です。

その中で、「物語を面白くする技術」について、秀逸な記事を見つけました。

この記事の内容を参考にしながら、コンテンツ作りの視点で解説するという形で、話を進めたいと思います。

紹介する記事は、こちらです。

この記事の中から、「面白さのポイント」をピックアップしました。

①冒頭のインパクト
②登場人物への感情移入
③意外性の演出
④自分と物語との接点
⑤未来への期待感

「②登場人物への感情移入」の要素をさらに細分化すると、

・ストーリーを描く
・人間性を描く
・具体的な「本音」の動機を語る

となります。

これらの要素を、私たちのコンテンツ作りに当てはめて考えてみましょう。

まず、冒頭のインパクト。これは非常に重要です。

「私に関係ある話だ!」でつかんで、
「もっと知りたい!」で続きに引き込む

これがキモになります。

未来への期待感は、

・この続きを読み進めると、もっといい情報が得られる

・このコンテンツを読み終わった先には、もっといい未来が待っている

この2種類です。

だから冒頭では、読み手の明るい未来をリアルに見せて、読み手が欲しがる濃いメッセージを先に出すんですね。

それによって、最初のつかみから一気にゴールまで連れていくわけです。

「意外性の演出」に関しては、もう1つ補足したいと思います。

それは、「意外性となじみ深さ」の両面が必要ということです。(硬い言葉でいえば「新規性と親近性」)

人は新しい何かに触れたくて、コンテンツや作品を手に取るんです

全部わかってる話だったらつまらないし、時間を投じる価値もありませんよね。

かといって、全部が初めてで知らないものばかりだと、脳がその情報を受け入れられないのです

だからコンテンツの内容は、知っててなじみのある話をベースにして、一部に「タメになった!」という情報があれば十分。

あるいは、すでに知っていることであっても、独自の視点や切り口を見せて、

「こんな見方・考え方があったのか!」

という発見をもたらすのでもいいんです。

物語の場合を考えてみてください。

日常にはない異世界の舞台にワクワクし、異次元の能力や魅力をもったキャラクターに惹かれます。

でも、異世界の中にも、どこか私たちの日常と重なるところがあって、超人のようなキャラクターの中にも、私たちと同じ弱さや人間くささがあるから、そこに共感するわけですよね。

もし、私たちの日常とまったく接点がなかったらどうでしょうか。

それはもう、「自分とは縁のない世界の、自分とは違う人たちの話」でしかないですよね。

コンテンツの場合も、「あの人が特別だからできたんだ」という話だったら、読み手にとっては何の価値もないわけです。

・私も以前は悩んでいた(ビフォー)
・こんな道筋をたどってきた(プロセス)
・今はこの結果に到達している(アフター)

このストーリーを語って、読み手もそのプロセスに参加できることこそが、価値になるんです

いかに読み手にとって「自分ごと」にさせるかということです。

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そして、登場人物への感情移入。
この場合の「人物」は、お客さんにコンテンツを提供する「あなた」です。

さきほど紹介した記事には、

「誰だかわからない主人公に読者は感情移入しない。
しかし、主人公の日常から語り始めると、退屈で離脱される」

というジレンマが書かれていました。

コンテンツの内容は、基本的に「悩み事を解決するノウハウ」です。

有益な情報を求めている読み手に対して、長い自分語りはジャマでしかありません。

だから文章の端ばしに、あなたの価値観や体験、本音の想いを散りばめていくんです。

あるいは、文面からそれとなくにじみ出るように、あなたの個性を表現するのです。

論文や報告書なら、「主観を混ぜるな」と言われるでしょう。

でも、私たちが作るコンテンツは違います。

もっと主観的な意見を書くべきだし、自分の色を出すべきです

そのほうが間違いなく、共鳴を生んで、面白いものになります。

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文章を面白くして読み手を引きつける要素を、もう1つ挙げます。

それは、「問いを投げかけること」です。

記事本文から、問いかけの文を一部引用します。

なぜ、最初の1ページが、このようになっているか、分かるだろうか?

じゃあ、物語のクライマックスシーンを、いきなり物語の冒頭に持ってきたら、どうだろうか?

では、読者をキャラに感情移入させられるだけの強い動機とは、なんだろうか?

じゃあ、動機さえわかれば、読者は、主人公に感情移入するのだろうか?

とくにプロの漫画家や小説家になるつもりのない人間が、そんなことをやってなんの意味があるのか?

こういう問いを投げかけられることで、記事のテーマに興味がグッと向かうんですね。

同時に、テンポとメリハリも生み出しています。

もし、記事本文から問いかけの文を全部抜いたら、どんな感じになるでしょう。

著者の持論を、一方的にずーっと聞かされているような感じに、私はなりました。

問いかけられることで、読み手は書き手とともに、テーマに関わっていく感覚になるのです

問いを投げかけるのは、コンテンツの切り口を見つけるときにも有効ですし、
読み手に「参加している意識」を持ってもらうためにも、効果的な手法です。

まとめ

【1】「読みやすさ」のポイント
・語順を適切に並べる
・文の構造をシンプルにする
・リズムとテンポをつける

【2】「親しみやすさ」のポイント
・話し言葉を適度に交える
・柔らかい言葉を多めに使う

【3】「面白さ」のポイント
・冒頭のインパクト
・登場人物への感情移入
・意外性の演出
・自分と物語との接点
・未来への期待感

今回、文章の技法は、超基礎だけに絞りました。
細かい技法は、その気になれば10でも20でも紹介できます。

でも、読みやすくて面白い文章を書くのに、そんなに数多くの文章テクニックは要りません。

それよりも、ごく基本的なことを徹底して、地道な見直しと問い直しを続けるほうが、文章表現は磨かれます

もし、文章の技法について、もっと突っ込んだ内容を知りたいという要望があれば、新たにコンテンツを書くつもりです。

よろしければ、満足した部分や物足りない部分について、ご意見を聞かせてください。

いつでも、お待ちしています。